シーシャ/水たばこ専門店の開業・経営に必要なことまとめ
たばこが吸えるお店の需要が高まっているため、シーシャのお店が全国的に増えています。シーシャは「インスタ映え」し、「客単価」が非常に良く、運営する上での固定費もあまり掛からないため、経営的にも魅力です。
シーシャ(水たばこ)のカフェ・バーのお店が増えると同時に、オーナーになって実際に店舗を開業・経営していく方も増えています。当メディアSHISHA NAVIでも、「シーシャの開業や経営」について相談されることが多くなってきました。
下記3つはよくある相談です。
・シーシャ開業に必要な機械・資金・免許について教えて欲しい
・儲かるシーシャのお店にしていくにはどうすれば良いのか(オペレーション/メニュー作り/物件/内装のデザイン/在庫管理/SNSの活用等)
・開業後の機械やフレーバー卸売の依頼
非常に魅力的なビジネスでも心配する点や気になる点・依頼したいことはどの方でもあります。シーシャバーやシーシャカフェは開業後の経営も上手くいきやすい一方で、その後の経営で失敗してしまうケースもいくつかあります。
そこで今回はシーシャ店を開業するにあたって「必要な免許・資金や機材の料金等」について紹介し、シーシャ店を経営していく際に知っておくべきポイントについて、失敗事例を踏まえながら解説していきます。
シーシャ/水タバコの開業に必要な許可
シーシャ(水たばこ)のお店を開業するにあたり、必要な免許/許可は「1.たばこ小売販売業許可 or 2.たばこ出張販売許可」「3.飲食店営業許可」「4.深夜酒類提供飲食店営業届出」「5.防火・防災サポート」の4点です。以下で一つずつご紹介していきます。
たばこ小売販売業許可
まず前提として、シーシャを開業するには「1.たばこ小売販売業許可」もしくは「2.たばこ出張販売許可」が必要です。たばこ小売販売許可を得ることで、シーシャのフレーバーやたばこを店内で販売することができます。しかしながら審査条件のハードルが高く、取得することが難しいです。
例えば「営業する場所と最寄りにあるたばこ販売店の距離が所在地の基準距離に達しているか」・「定款にたばこ販売を定めているか」・「たばこの取扱予定高が年間4万本を満たすか」などの条件があります。その他にも財務省が発行している手引きに基準が設けてあり、それらを全てクリアする必要があります。
実際にたばこ小売販売許可の申請をしたものの落ちてしまった事例も多くあります。そのため、あくまでシーシャを作ってお客様に提供するカフェやバーを目的とするのであれば、次に紹介するたばこ出張販売許可の取得をおすすめします。
たばこ小売販売業許可について
たばこ小売販売業許可の手続き対象者は、製造たばこの小売販売を業として行おうとする者とされています。シーシャを提供することは販売することと同じ行為であるため、シーシャを提供するだけでも「たばこ小売販売許可」が必要となります。そのため、もしたばこ小売販売許可を持っていない場合、無許可での販売となるため注意が必要です。
たばこ小売販売業許可の申請書提出は予定している営業所の最寄りの「日本たばこ産業株式会社(JT)」の支社に持参もしくは郵送・宅配便で送付します。
申請を審査する処理期間については、たばこ小売販売業許可の申請を受理された月の末日から2ヶ月以内です。
たばこ出張販売許可
たばこ出張販売許可を得ることで、実際にお店でシーシャの提供が行えます。たばこ出張販売は、小売販売業許可を得ている業者と業務委託契約を交わすことで許可を得ることができます。
たばこ出張販売許可を得ると、業務委託契約をした小売業者のたばこ葉を代わりに使用・販売できるようになります。たばこ小売販売業許可よりもハードルが低く、許可も取れやすいです。また、大量のたばこフレーバーの在庫をお店で管理する必要がなく、必要な量だけ仕入れができるので、シーシャカフェやバーの営業に時間を割くことができます。
ただし、契約した小売販売業者とのみフレーバーの仕入れが出来るという仕組みですので、契約する前に取扱いしているフレーバーブランドの種類や卸を依頼する際の価格帯を確認しておきましょう。
ちなみにSHISHA NAVI(シーシャナビ)でもたばこ出張販売許可を出すことが可能です。ご相談ベースでも構いませんので、気になる方はぜひお問い合わせ下さいませ。
飲食店営業許可
シーシャバー・シーシャカフェを運営するにあたり、飲食店営業許可も必要となります。申請先は営業所在地で管轄されている保健所です。
この飲食店営業許可にあたり、いくつか業種別の基準が設けられています。調理したものを提供するのか・調理せずに飲食を提供するのかによっても基準が異なります。また、許可を得るにあたり「食品衛生法の条例を満たしていること」・「食品衛生責任者養成講習を受講した食品衛生責任者を1名配置すること」が必要です。
この飲食店営業許可の流れとしては、
- 1.保健所に事前の相談
- 2.営業許可の申請
- 3.施設の検査日程決め
- 4.保健所の施設検査
- 5.営業許可証の交付
- 6.営業開始
となります。
深夜酒類提供飲食店営業届出
深夜0時以降から日の出までの時間にお酒を提供する場合、あらかじめ警察署に届出が必要になります。この届出は営業開始の10日前までに警察署への提出が必要となります。
届出を提出するにあたり、下記の条件を満たす必要があるので確認しておきましょう。
- ・客室一室の床面積が9.5㎡以上であること (客室数が1室だけの場合は、制限なし)
- ・客室に見通しを妨げる設備を設けないこと
- ・風俗を害する恐れのある写真、公告物、装飾その他の設備を設けないこと
- ・客室の入り口に施錠の設備を設けないこと (但し、営業所以外直接通ずる客室の出入り口については、この限りでない)
- ・客室の照度が20ルクス(lx)以上であること
- ・騒音又は振動が条例で定める数値に満たないために必要な構造・設備を有すること
- ・ダンスをする為の構造・設備を設けないこと
また下記に該当する用途地域ではの様に、基本住居地域での深夜の酒類提供は禁止ですので注意が必要です。
- ・第一種低層住居専用地域
- ・第二種低層住居専用地域
- ・第一種中高層住居専用地域
- ・第二種中高層住居専用地域
- ・第一種住居地域
- ・第二種住居地域
- ・準住居地域
防火・防災サポート
飲食店に関しては、防火管理者の準備や防火対象物使用開始届出書を所在地を管轄する消防署へ提出する必要となる場合があります。提出については建物を使用する7日前までに届出しなければいけません。
失敗しないシーシャ屋開業・経営をするポイント
開業から実際にシーシャバー・シーシャカフェを経営してからがスタートですので、ここからはシーシャ店を経営していく際に大事なポイントをご紹介していきます。
オペレーションオーバーにならないこと
シーシャカフェやバーの失敗事例として、オペレーションオーバーがあります。シーシャの仕入れ・フレーバーや炭の注文・売上管理・接客・SNSでの集客・スタッフへの指導等、行う業務は沢山あります。
そういった業務の中で無駄な工数を増えることで次第に業務効率が下がってしまい、スタッフにもしわ寄せが起こり、最終的にはお店が回らなくなってしまうことがあります。無理のない営業計画を行い、お店が回らなくなる前に都度改善していくことが大切です。
デッドストックを増やさない
デッドストックとは、長期間売れ残っている商品のことです。売れ残っていて注文が極端に少ないシーシャフレーバーだけが増えていくことで、売上は黒字にも関わらず現金が僅かしか残らないケースが失敗事例の中でも多いです。例として売上は800万円にも関わらず現金は20万円しか残らないといった事例もあります。
特に出張販売許可を得る場合は、仕入れることができるだけでなく、的確な仕入れをかけてくれる小売業者と委託する方が良いです。SHISHA NAVIでも、卸だけでなく、的確な仕入れをかけるフレーバー選定・シーシャのメニュー作りのサポートも行っています。
免許や許可を取らずに経営しない
当たり前のことですが、無免許でのたばこの提供はたばこ事業法によって禁止されています。シーシャ屋を始めるためには、たばこ小売販売業もしくはたばこ出張販売許可を必ず取りましょう。
集客を怠らない
ゼロからシーシャ屋を始める際には、まずお店のことを知ってもらう必要があります。お店を知ってもらうためにも、特にお店の位置や口コミが分かるGoogleマップ、お店の雰囲気や営業状況が把握できるSNS・HP等は集客のためにも利用・発信することが大切です。
その際、どれくらいの人数お店に入るのか・営業日時・料金・Wi-fi,電源があるかどうか・喫煙は可能か・お店の雰囲気はどういった感じかなど、見込み客が気になる情報を載せていきましょう。
シーシャ/水たばこ屋の開業支援も可能です
シーシャナビでは、シーシャ開業をご検討のオーナー様に向けた開業支援サービスを行っております。サポート内容については以下の通りです。
・シーシャフレーバー/機械などの卸売り
シーシャに必要なフレーバー、ココナッツ炭、シーシャボトル等、豊富な品数を取り扱っております。新たにカフェやバーにシーシャを導入したい方・シーシャ屋開業に向けて卸売りをご検討している方などのサポートが可能です。
またお店のコンセプトに合うメニュー・お客様が喜ぶ定番人気フレーバーなどについてもサポート可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせ下さいませ。
・シーシャの開業支援(内装工事/物件相談/必要免許等)
人・商品・ブランドの印象を左右付ける店舗の内装は集客にもなり、サービスに付加価値をつける重要な要素の一つです。シーシャナビでは物件探しから重要な内装デザイン・シーシャ屋開業に必要な手続きなど、トータルなサポートが可能です。
・シーシャオペレーションサポート
お客様が満足する美味しいシーシャを提供するには、シーシャに関する「知識・経験・技術」が必要になります。お客様にシーシャを提供するまでの工程の一つ一つで、煙と味の質に大きな変化が出るため奥が深いです。
味一つでリピーターを確保するかどうかの鍵を握るシーシャは、お店が提供する設備の充実性に限らず手を抜いてはいけません。シーシャナビでは、お客様が美味しいと感じるシーシャをご提供するために必要なノウハウ・機械のメンテナンス方法・混ぜると美味しいフレーバーのレシピ等、お客様の満足度を上げるオペレーションサポートが可能です。
・お問い合わせお待ちしております。
日本におけるシーシャ事業の発展に向け、シーシャ事業をご検討される経営者様/カフェ&バー運営者様のサポートを行っております。お問い合わせ相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。担当者がお問い合わせ内容を確認し、後ほどご連絡させて頂きます。
シーシャ/水たばこ開業に必要な資金・機材
ここではシーシャや開業に必要な資金と機材についてご紹介していきます。あらかじめ必要となることを把握し、準備・計画を進めていきましょう。
店舗家賃/光熱費
近年では、テナントでの店舗開業やマンションの1室を利用して開業する人など様々ですが、店の立地・場所・広さによって分かれます。大阪・東京の場合、平均坪単価が高いため平均でも20-40万円程の賃料が掛かります。
また、Wi-Fi/充電機の使い放題や・電気コンロの使用・日中電気をつけっぱなしにする事などを考えると、光熱費などが最低でも月に3〜5万円ほど掛かると想定した方が良いでしょう。
シーシャボトル
シーシャの機械に掛かる費用は扱うメーカーによって変動します。一般的に使用されているAladin Istanbul(アラジン イスタンブール)というボトルは10,000円〜25,000円ですが、こだわりを持ちシーシャバックスのロングサイズなどを使用すれば、30,000円〜35,000円と値段が上がります。
最近ではアメリカ製のプレミアムシーシャボトルであるFUMO(フーモ)を使用している店舗も増えており、購入には70,000円-100,000円程と値段がさらに上がります。
フレーバー
フレーバーの選定では、多くのメーカーが存在し、中々選定に戸惑う事が多いと思いますが、すぐに味が切れにくくお客さんにじっくり堪能して頂けるフレーバーがベストだと思います。
Al Fakher(アルファーヘル)やAl FAKHAMAH(アルファハマ)は、多くのシーシャ店が使用するメーカーで、50g:1,300円-1,800円程で購入できます。味もちも良くリーズナブルでコストを抑える事ができます。その他にもフレーバーの種類が豊富なSOCIAL SMOKE(ソーシャルスモーク)・BUTA(ブタ)もおすすめです。
また最近では果肉が入っているノンニコチンフレーバーのFARI(ファリ)も人気ブランドの一つで、1,300円程で購入することができます。
炭/電気コンロ
シーシャを作るにあたって必要な炭は、減りが遅く炭交換が楽なココナッツ炭を使用するのがおすすめです。あわせて、炭を焼くための電気コンロも必要になります。炭は1kgで1,600円前後で購入できます。
また、炭を直置きではなく細かく熱調整を行う場合は、ヒートマネジメントシステムも必要になります。
ボウル(トップ・ハガル)/マウスピース
フレーバーを乗せるボウル・シーシャを吸うためのマウスピースも必要な道具です。ボウルはシリコン製やガラス製・クレイトップなど種類があり、値段も1,500円-3,000円と幅が広いです。耐久性が高く、メンテナンスしやすいものを選ぶのがおすすめです。
まとめ
この様に「店舗の広さ」「機械の種類・本数」「フレーバー種類・量」「炭の種類・個数」などによって開業コストは変わってきますが、小規模の展開であれば、開業資金100万円からで開業は十分に出来るでしょう。また開業する上で必要となる免許についてはいくつかの条件をクリアする必要があり、スムーズな開業ができるように確認とスケジュールを立てることが大切です。
新たに店舗開業されるオーナーの現状を踏まえた規模での展開を目標とすれば、十分に低コストで開業する事が可能です。開業に必要なコストの把握や手続きを踏まえ、シーシャ事業が成功することを心から祈っております。
最後までお読み頂きありがとうございました。