【豆知識】シーシャ/水たばこの健康に関する害について徹底解説
水タバコにも紙巻きタバコにも有害物質が含まれています。紙巻きタバコの害についてはさまざまなデータがありますが、水タバコのデータはそれほど見かけません。
実はシーシャは紙巻き100本分の有害物質が含まれているというデータもあります。実際のところ、これは吸い方の違いを考慮しないデータのようですから、100倍有害であると決めつけるのは早計です。
そもそもシーシャ1回と紙巻き1本では数時間が全く違いますから、もっとしっかり検討する必要がありそうです。そこで今回はシーシャの健康に対する害についてご紹介していきます。
一酸化炭素の影響
問題となる成分の1つが一酸化炭素です。一酸化炭素は酸素原子1つと炭素原子が1つずつ結合した物質です。不完全燃焼をするときに発生しやすく、火事で人が逃げ遅れるときは一酸化炭素中毒となっていることが多いです。
それからわかるように人体にとって有害な物質であり、血中の濃度が上昇すると健康に悪影響があります。禁煙外来などで喫煙状況をチェックするときには呼気中の一酸化炭素濃度を測定します。
水タバコを吸った後の呼気一酸化炭素濃度は、紙巻きタバコ1本喫煙後よりも7.5倍ほど高いというデータがあります。吸っている時間の違いはありますが、かなり有害とみなすことができそうです。
他のデータによるとシーシャを1回吸った後の血中の一酸化炭素濃度は、紙巻きタバコの4倍から5倍ほどとのことです。速いペースで肺に入れて吸うと害がありそうです。
ニコチンやタール
タバコに含まれる有害物質として、ニコチンとタールがあります。ニコチンは依存物質であり、血管を収縮させて血行を悪化させる効果が確認されています。
タールは粒子状の成分であり、数多くの有害物質をまとめて呼ぶ総称です。木などが燃焼するときに発生するヤニです。 水タバコは煙が一度水を通過することから、煙の中の有害物質が水に吸収される、という説があります。
実際のところ、いくらかの成分は水に吸収されているようです。特に煙に含まれる苦味やエグ味のもとであるタールは減少している、という報告があります。その結果、シーシャの味は紙巻きタバコよりもマイルドになり、多くの愛好家を生んでいるようです。
ニコチンも水に溶けているようですが、シーシャを吸った後の尿からニコチンが見つかっています。吸えばニコチン依存症になることは間違いありません。
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ノンニコチンフレーバーもある
愛煙家にとって日本は住みづらい国になってきています。シーシャをきっかけに愛煙家になっても、吸える場所が少なくイライラが募るでしょう。そんな人のためにノンニコチンフレーバーのシーシャがあります。
デカフェのコーヒーのように、化学的な処理によってニコチンを除去しているわけではありません。そもそも使用している植物の葉が違うのです。多く見かけるのはサトウキビの葉です。
水タバコのように吸うことで一定の満足感が得られ、シーシャカフェなどで吸うと気分が良くなる人も多いようです。タバコの葉とは違い、ニコチンがまったく含まれていないから、ニコチン依存症になる心配もありません。
しかし注意すべき点があります。それはタールと一酸化炭素の存在です。タールは植物が燃えるときに出るヤニですから、サトウキビの葉にも含まれています。一酸化炭素ももちろん含まれています。無害とは言えないですから、うまい付き合い方を見つける必要があります。
嗜好品として楽しむ
上記のようにシーシャには健康のリスクがあります。しかし気分を落ち着ける効果がありますし、愛好家同士のコミュニケーションも必要でしょう。
ですから水タバコであれノンニコチンフレーバーのシーシャであれ、嗜好品として楽しむことが大切です。健康状態を配慮しながら、リスクが高くなり過ぎないようにコントロールして付き合うのです。
シーシャカフェなどで吸っている人は、スタッフや長年の愛好家に話を聞いてみるのも有効な選択肢です。